「このまま帰るの勿体ないですね
どこか行きます?」


「どこか?って例えばどこ?」


「そーっすねぇ
先輩と行くなら高級ホテルの
ラウンジとか?
男はカクテルの帝王と呼ばれるマティーニ
女はオレンジ色のミモザ
カチンとグラスを合わせ乾杯をする
少し ほろ酔いの男と女は
事前に男が下心たっぷりに下の階の
スィートルームを予約したいた部屋に泊まり
熱い夜を一夜を過ごした
そして感動の朝を迎え
男は一睡も出来ず目覚めた女を
愛おしくギュッと抱きしめるのだった」


「歌手の次は作家か?
あんたなーんでもやるねぇ!
飽きないわほんっとに!」


「でしょ?オレの良さ
やっと わかってくれましたか?
じゃあ 参りましょうか」


「帰る」


「えっ???
ここでオチ?」


「明日は仕事だから帰る」


「休み前ならオッケイだったんですか?」


「そーだね」


適当なことを言うあたし
結構 笑わせてくれて
龍馬といると楽しい。


「しまったぁ!
明日誘えばよかった明日は
金曜日ですもんね
じゃあ 明日もご飯行きません?」


「明日は無理
ひさびさに友達と会うんだ」


「マジっすかぁ 残念」


そう明日は専門学校時代の友人と
会うことになっている。


田村彩乃ーーー


専門学校時代の友人は
いまだに付き合いがあるのは
この彩乃と須田佳苗と榎本結衣。


この中でも1番仲が良かったのが
彩乃だった。


3日前話があるから
会いたいと電話があったのだ。


お互い忙しく
こうして会うのは1年ぶり。


機械オンチの彩乃は
やっとスマホデビューしたばかり
ラインで繋がったのも最近。


いつもメールばかり
メールの返信も時間が空いたりで
不便だった。


少し気分だけ 身近になったけど
なかなか会う機会はなかったのだ。