「あっ!そろそろ時間だよ!今から駅に行かないと間に合わないかも!!」


朱里がそう言って叫ぶとみんな急いで片付けを始めた。


「皆OK!?財布は!?」


「「「「OK!!」」」」


「チケットは!?」


「「「「朱里が持ってます!!」」」」


「フェスに行く準備は!?」


「「「「もうテンション上がってます!」」」」


斗季の掛け声にみんながハモる。


「じゃあ行こっか!」


そう言って病室を出ようとすると、


「有紗ちゃん。気をつけてね。」


後ろから医院長先生に声を掛けられた。


「はい!行ってきます!!」


そう言うと私はみんなの後を付いていく。


病院を出ると蒸し暑い風がぶあっと吹いて前髪を揺らす。


フェスには電車で行くから、歩いて駅に向かう。


「有紗、具合い悪くない?大丈夫?水あるよ!」


歩きながら斗季が心配そうに私を見る。