「有紗ちゃーん!診察室に入ってねー」


「はーい!」


看護師さんに呼ばれて私は診察室に入った。


「お待たせして悪かったね。結果が出たよ。・・・・・・・結果を言うと、病気が進んでいる。それも今までよりも早いスピードで。」


「そう、ですか。でも、治療していけば治るんですよね?」


「それが、今回からはもういつもの治療では足りないかもしれないんだ。というのも、もっと辛い治療に変えなければいけない。例えば、抗がん剤のとかね。」


抗がん剤治療だけはやりたくない。


あれだけは絶対に嫌だ・・・・・・


「手術してもきっと・・・・・・有紗ちゃん、はっきり伝えていいかな?」


医院長先生が今までにない、苦しい顔を見せた。


「・・・・・・・・・はい。教えて、ください。」


「・・・・・・・・・実は、病気が手術出来ないくらいに進んでいるんだ。・・・・・・余命は、半年・・・・・。だから、抗がん剤治療をしても、3ヵ月くらい余命が伸びるだけなんだ。・・・・・・・・今からお母さんを呼んで話をするから、有紗ちゃんも一度考えてみてくれないか。抗がん剤治療をするか、しないか。」