仕事納めの29日、忘年会に出席して、帰ったのが9時半。

叔母の家の引き戸を開けて声をかけた。


「ただいま。ありがとう」

「お帰り、早かったのね。
酔ってない?」

「大丈夫」


叔母が出迎えてくれる。


「ミズトは?」

「寝てるわ、どうする?」

「連れて帰るわ。明日また来るかも」

「分かったわ、いつでも連れていらっしゃい」

ベビーカーを広げている間に寝ているミズトを連れてきてくれた。

「ありがとう、熟睡ね。じゃ、また明日ね」

「おやすみ」


ベビーカーにミズトを乗せて、毛布を敷き詰めるようにかけて家路を急ぐ。