それからは、手を繋いであちこち見て回って、結局、子供服を買った。
イタリアンレストランで夕食を食べて、遊歩道を散歩してホテルに戻ってきたのは8時頃だった。
「あら、早かったのね」
驚いたように母が言った。
「ちょっとミズトと遊ぼうと思って」
照れたように笑うショウタにミズトが近寄っていく。
「広い部屋ね」
「ファミリータイプなのよ?ベッドは無くて、和室になってるでしょ?何人でも寝られるわ」
叔母が言うと母がショウタに言った。
「セオ?泊まるでしょ?」
「え?ここで?」
「嫌そうね?」
「アハハ、まさか……ねぇ」
ショウタが私に問いかけたが、何も言えなかった。
「なんてね、あなたたち二人で泊まりなさい。
こっちの部屋を取ってるから」
そう言ってカードキーを渡された。
「オババはミズトと遊ぶのよ。
さっさと行きなさいよ。
明日の朝8時に、朝食のバイキングに集合ね」
部屋を追い出された私達は顔を見合わせて部屋の番号を確認した。


