「姉は功さんのこと……コウスケって呼んでた?」 功さんが驚いて顔をあげ「ああ」と言った。 「あなたに姉からの言葉があるの。 姉はあなたに伝えたかったのね。 私もずっと伝えたかった。 今、ここで言っていい?」 功さんを見て言った。 沈黙が広がる。 全員が功さんを見ていた。 「向こうで…… 俺だけが聞いてもいいか?」 「ああ」「聞いてこいよ」 私と功さんは席を立って、広場の隅に行った。