いつもここで声をかけてくれるのは、夢葉だった。


『大丈夫だから。』

『心配ないよ。』

『私がいるでしょ?』

『私がいる限り、望空は1人じゃない』


そんな言葉に何回救われたことか…


私が声を失ったのは、生まれつきではない。


いつ声を失ったのか、わからない。


中学の時は覚えてるけど、小学校や幼稚園の頃は全く覚えていない。


いえば、記憶喪失だ。


なんで声を失ったのか、話せなくなったのか、私には両親はいないのか、誰も教えてくれない。