勝手にヤキモチ焼いて、拗ねて、怒って、八つ当たりして…。
あたしってば、最悪じゃんか。
だけど、湊は特に気を悪くした訳でもないようで。
「さて。そろそろ帰りますか」
なんて、身支度を整えている。
「いいよね、湊はモテて」
「……そんなことないよ?それよりさ…実楽…あの…」
『実楽ー!掃除当番ー!』
「あ。ごめん、忘れてた。じゃ、湊、また明日ね!」
あたしは声を掛けて来た男子の方に向かって走って行き、そのままホウキを受け取った。
「モテるのは、実楽の方なのに、ねぇ?」
そんな風に湊が呟いているとは知らずに。



