「で?実楽は何を怒ってたの?」
「そ、れは…」
「それはぁー実楽がみなっ…モゴモゴっ!」
「ひなのちゃんはうるさいよ?!」
「ごほごほ…もー素直なじゃないんだからー!」
そう言うと、『勝手にしなさい』とばかりにひなのちゃんはひらりと席を立ち、2年の教室へと行ってしまう。
ひなのちゃんの彼氏は、2年生の直江啓(なおえあきら)先輩だ。
「はー。いいなー。ひなのちゃん。あたしも彼氏欲しい…」
「…何?実楽は直江先輩みたいな感じがタイプなの?」
「へ?ち、違うよぉ。…ただ、ラブラブなのが羨ましいだけ…で」
「ふーん?」



