「ねぇ、実楽、湊くん、まーた呼び出されてるよー?…いいの?」 そう数学の教科書を片手に話しかけてくるのは、クラスメイトで幼馴染のひなのちゃん。 「むぅ。言われなくたって、知ってるよぅ。でもでも、まさかついて行って、間に割って入るわけには行かないじゃん!」 「確かにねぇ。そんなことしたら、流石の湊くんも怒るかもしんないもんねぇー」 と、ひなのちゃんは意地悪くあたしを見て笑った。