「みーーなーーとーー…。湊が遠い…ぐは」 「だったら、さくっと告っちゃえばいいのに」 「それが出来たら、苦労してないよーぅ」 「はいはい。意地っ張りの実楽ちゃんに、心優しいひなの様が、こんなものを授けて進ぜよう」 思わず嫉妬しそうなくらい、白くて細くて綺麗なひなのちゃんの指に、ひらりと挟まれている紙切れを見て、あたしは疑問符を頭に付ける。