「あらぁ…颯太くんじゃないと美鈴は起きないじゃない」 顎に手をあてながら呆れた声を出すお母さんに図星を刺され、否定もできずに目を泳がせた。 「うっ、そうだけど………」 「もしかして、僕が起こしにくるの嫌だった?」 「え!?そんなことないよ!!!颯ちゃんが来てくれるの嬉しい…よ?」 眉を下げて落ち込む颯ちゃんに慌てて両手を振り否定すると、颯ちゃんは目端を下げて安心したような笑みを浮かべた。 「…ふふ。よかった」