今でも春になると村本の事を思い出すが涙は出ないし感傷的に少しなるだけだった。


俺は、運が良いからなと屋上で叫んだ村本が今でも運が良ければいいのだがと思う。


自分自身が履いている当時の村本と同じアディダスのスニーカーの裏を思わず見ようとして辞める。


笑いそうになったが、あの頃のようには笑えなかった。





そうして、また何度目かの卒業のシーズンを僕は越えて行くのだ。