《南帆side》
斗樹に話しかけるなと言ってから一週間が過ぎようとしていた。
斗樹は珍しく本当に私の言うことを聞いていてくれていてこの一週間全く話しかけてこなかった。
そのおかげで私は平凡な高校生活を送っていたところだったのに……
「よっ、ミナ。久しぶりだな
一緒に学校で行こうぜ」
学校へ行こうと玄関を開けるとちょうど斗樹がうちの家のインターフォンを押そうとしていたところで
私の存在に気づいた彼は押すのをやめて朝から眩しいほどの笑顔を私に向ける。
なんであんたがいるのよ……
「なんでいるの?話しかけないでって言ったじゃん」
彼の横を通り過ぎて少し小走りで通学路を歩く。
一週間も話しかけてこなかったから油断してた。