「……」
返答に困って何も言えないでいると斗樹の大きくて男らしい手が私の両頬に触れた。
と、思ったら少し俯いていた私の頭をグッと持ち上げてまるでオオカミのような甘く鋭い瞳で私をとらえる。
なんか……小動物にでもなった気分。
それで斗樹というオオカミに捕まってしまった。
「なぁ…ちゃんと俺の目を見て言えよ。
『俺のせいで戸惑ってます』って」
「なっ……!」
私の瞳に映る彼はにんまりと意地悪な笑顔を浮かべているのに私はイラつきよりもドキドキのほうが勝ってしまってそのドキドキのせいで身体中の血液がゾワッとなる。
「早く」
「斗樹のバカ…!
こんなことされて平常心でいろって方が無理な話なのよ!
そんなことも分からないなんて
あんたはやっぱりバカ…!もう私、帰る!!」
こんなのもう八つ当たりだった。
斗樹にこんなにドキドキしてしまっている自分が嫌で許せなくて。



