【完】お前のこと、好きすぎてやばい。





「わ、わりぃわりぃ…!
もう触らねぇからそんな怖い顔すんなよ!
じ、じゃあ…俺らはもう行くわ!またな!」



あまりの恐怖からか彼らは顔をひきつらせながら人混みの中に消えていった。



「チッ……」



上から聞こえてきたのは怒りの込められた舌打ち。



「ねぇ、私はいつから斗樹のものになったの?
斗樹のものになるつもりはないんだけど」



助けてもらったくせに、ドキドキしてるくせに久しぶりに“南帆”と呼び捨てにされたことに心臓が加速していってくるくせに素直じゃない私は『ありがとう』すら言わずにまた喧嘩腰にものを言った。



「うるせぇな…簡単に触られてるお前もお前だからな」



キッ、と鋭い視線をこちらに向けた斗樹。
その瞳は少しだけ切なげに揺れていた。



「はいはい。すみませんでした。
それと、ありがとうございました」



自分でも引くぐらい嫌味たっぷりにそういって歩き出した。
だけど、歩けたのは一歩だけですぐに斗樹に腕を掴まれて動きを制された。