「例えばの話だよ、例えば!」
「わ、わかってるって…!」
「分かってるなら…今度こそベビーカステラ買いに行こうぜ」
そういって差し出された手。
戸惑いながら見ていると、はぁ…とため息をつかれた。
「ため息とかつかないでよ」
「お前がこうやって、繋がねぇからだろ」
呆れたようにいいながら彼は私の手をそっと握った。
その手はとても大きくて、いつの間にこんなに大きくなっていたんだろう…となんだか不思議な気持ちになった。
「なっ……なんで手なんか!」
「昔から方向音痴なのは誰だっけ?」
「……うるさい」
方向音痴なことを言われてるとこの手を離せない。
どこの頭でそんなこと考えているのか。
まったく、そういうところだけは頭が働くんだから。



