【完】お前のこと、好きすぎてやばい。





「お、おーい。起きてますか?」



一応、斗樹の顔の前で手を左右に振ってみる。
するとパチッと一度まばたきをしてから「寝てねぇわ」と鋭いツッコミをされた。



「絶対寝てたでしょ。
立ちながら目開けたまま寝るとかほんとにバカ」


「だから寝てねぇって」


「じゃあ、なんで固まってたわけ?」


「……」



固まっていた理由を聞いた途端に黙り込んだ斗樹。



「ほーら、やっぱり寝てたんじゃん」



まあ、立ちながら寝ることはあっても目を開けたまま寝る人なんてそうそういないけど。


普通ならありえないことでも斗樹ならありえそうと思ってしまう私はひどいヤツなんだと思う。


それにしても、今日の斗樹はまた一段とカッコよさに磨きがかかっているように思える。


浴衣ではないけど、私服もまるでモデルさんのようにオシャレに着こなしているし、髪の毛だっていつもとは少し違ったセットの仕方だ。


お祭りに行ったらきっと女の子たちが振り向いてまで斗樹のことを見るんだろうな。


なんか……嫌かも。


…ってなんで嫌なんだろう?
私にとって斗樹なんてどうでもいいのに。