【完】お前のこと、好きすぎてやばい。




「はぁ、あなた頭はいいくせに記憶力はないのね」



呆れたようにため息をつきながらいうお母さんは意外と毒舌かもしれない。



「うるさいなぁ。
ていうか、甚平は着ていかないからね」



だって、暑いし。
斗樹と行くだけなのに甚平なんて着ていって気合入ってるって思われたら嫌だもん。


テストに負けたから行くだけなのに…
自分の意思なんて……どこにもない、はずなに。



「せっかく買ってきたのに着てくれないの?」



すごく残念そうな表情で甚平を持ちながら私を見つめるお母さんを見ていると良心が痛んで「わかった、着ていくから」というしかなくなってしまった。


お母さんが買ってきたのはベースが黒、バラの柄でバラの色は紫。


大人っぽいのか…子供っぽいのかどちらともいえないような甚平だ。


私に似合うかは別としてこの甚平が可愛いのには変わりはないけど。