始業式からもうすぐ1ヶ月。
私はいつものように、ありさの席で一緒に昼食をとっていた。
一番端の窓際の席は、風が通って気持ちいい。
更に今日は一段と心地いいのは、余計な人物が一緒にいないから。
「あ、そうだ。今日の放課後って、ありさ暇? ちょっと買い物に付き合って欲しいんだけど」
「うん、大丈夫だよ。何買いに行くの?」
「あのね――」
空になったお弁当箱の蓋を閉じながら、答えようとした……そのとき。
「なになに?ふたりで遊びに行くの?俺も混ぜてよ」
会話に割って入ってきた声に、私の手はピタッと止まる。
ゆっくりと顔を動かせば、ありさの卓に両手をついて、にっこりと微笑む篁くんの姿があった。
「……最悪」
ボソッと呟いて、顔を彼から背ける。
今日は学食に行ったみたいだから、一緒にいなくて済むと思っていたのに。
予想していたより随分と早いお帰りに、ため息しか出てこない。