12人の魔女伝説 ~俺はお前の騎士だ~


チャイムがなる頃には全員が揃っていた。
園子は最後に来たレイのもとに駆け寄った。

「どこに行ってたの?」

園子がいきなりレイに飛びかかるようにして問う。
レイは おわっ と驚きはしたが無表情のまま答えなかった。

「ちょっとな。」
「ふーん...」

怪しい... と園子はレイをジッと見るが何も言わないだろうと諦めた。

そこにスーランが来た。

「やっと来たのねレイ。
もー、園子が困っていたのよ?

演習棟を知らないし更衣室も何処にあるのかも知らないって...

貴方は園子に教える係でしょ?」

「...それは先生が勝手に決めた事だ」

スーランの言葉攻撃にもレイは冷静に反論する。
だが、その反論を待ってました!とばかりにスーランがニヤッと微笑む。

何か面白いことを思いついたいたずらっ子の顔だ。

「と言われても断れなかったくせに...
いえ、断らなかったのかしら〜」

園子には聞こえないようにレイのそばで呟く。
その言葉にレイは ぐっ と何も言えない。

結局、スーランを睨むことしか出来なかった。
図星と見てスーランはクスクス笑い出す。

これはどう見てもスーランの勝ちである。
そうですよね?みなさん。

「あっ、チャイムが鳴ったね...
ところで先生は?」

園子はそんな2人の戦い(?)を知らぬままレイとスーランの方を振り向き聞いた。

見る限りこの教科を担当する先生がいない。

「ああ、いつもの事だ」
「いつも?」

そもそも担当の先生が分からない園子は頭に?を大量に浮かべていた。

「...そろそろかしら?」

スーランも時計を見て周辺を警戒し始めた。
え? と園子はレイに無言で問いかけた。

レイもスーランと同じく警戒していたが園子に話しかけるだけの余裕はあるようだ。

「この科目の先生はいつも突然現れて攻撃してくるんだ。

魔法の種類は自由で先生の攻撃を防ぐ...まぁこんなものか」

レイが簡単に説明すると、園子は なるほど と理解する。

「その通りだ...君はどこまで防げるかい?リカの娘」

園子のすぐ後ろから女性の声がした。
園子は背筋がビクッとなって後ろを振り向こうとしたがそれよりも速くレイが園子を鷲掴みにしその場を離れた。

「ちっ、レイが守ったか。」

レイが庇ったことが気に入らなかったのか舌打ちが聞こえた。
園子がいた場所は黒い周波の流れ、反応に遅れた生徒は倒れている。

「そりゃ、避けるだろ」

レイは小さく呟き園子を下ろす。
園子は思考が停止してフリーズ状態であった。

その様子を見て女性は クスッ と笑った。
その人物は伊織の担任であるリンネ・フローランであった。

「今日、かわしたのは...10人程度か?」

リンネが周囲を見る。
そして、ため息をついた。情けない...と言いたげだった。

「...えーと?」

園子はフリーズから帰ってきてレイに説明を求めて目を合わせる。

それに気がついたレイは説明し始めた。

「リンネ...この教科の先生は授業が始まると共にどこからか攻撃してくるんだ。

これは今に始まったことではなく毎回こうなんだ。」

レイは若干溜息をつきながら答えた。
それを聞いていた園子はリンネを見ていた。

そして、同じくレイの話を聞いていたリンネはニヤッと笑った。

それと、同時に園子に向かって攻撃を仕掛けた。

リンネは手刀を作り横に一閃する。
紫色の光が手を離れて園子に向かってくる。

「っ!おい!」

「えっ!先生!」

リンネの行動にレイとスーランは驚いていた。
それは園子も同じだがその光を見てすぐに動いていた。

「風よ、編み気泡 (あみきほう)」