「ところで、何処に向かってるの?」
園子はレイの隣を歩きながら聞いた。
授業とはいっても何の授業なのか分からない園子は科目はもちろん移動先の教室さえ分かっていない。
「あぁ、今から行くところは薬草室。
で、科目は魔法薬だ。」
教室を出て、3階にある渡り廊下を通って隣にある棟に向かった。
高等部の校舎は管理棟、教室棟、自習棟の3つからなっており、
園子はこれから教室棟と自習棟を行き来することになる。
「魔法薬…どんな授業なんだろうなぁ」
園子は今まで受けたことがない科目にワクワクしながらレイについて行った。
そんな園子を見たレイは園子から目をそらしていた。
よくよく見れば、少し頬が赤かった。
(...可愛い......)
〜・〜・〜・〜
その頃、高等部では噂が際立っていた。
1つは人間界から来た転校生。
これは特にどこの学校でもザワザワするだろう。
それが、美女や美少女であれば尚更だ。
だが今回は 転校生が来た ということよりも
転校生がレイと一緒にいることの方が校舎中で噂されザワザワしていた。
「おい、あれってレイ・フローランだよな。」
「ああ。いっつも1人のあいつがなんで転校生と…ずるい」
男子たちは少し幼さがあるが可愛らしく美しい顔の園子に目がいき、一緒にいるレイを羨ましく思っていた。
「そこは分かるが一旦落ち着け。
それよりも…だ……なぜあの"闇に喰われた水"といるんだ?」
1人の男がそう呟くと、その言葉が聞こえた皆が同意した。
なぜ、一緒にいるのかが謎すぎる。
今まで誰とも話そうともせず、ただひっそりと生きていたようなレイが転校生の園子といるのが分からない。
「……どうします?」
そんな2人を廊下の隅で見ていたある男が隣にいた男に話しかけた。
「あいつ、よく分かっていないようですぜ。
自分が何なのかを」
「そうだな……ちと、ちょっかいを出してみるかヒヒッ!」
真ん中にいた男はレイを見るや舌打ちをし、教室に入っていった。
近くにいた生徒は男達の標的(ターゲット)にならないように聞かなかったことにした。
不機嫌な状態の男達は何をするか分からないからだった。


