「それでは、各自教室に戻りなさい。
園子さんと伊織くんは担任の教師について行くように。」
学園長の言葉に全員が頷き部屋を出た。
「中等部は校舎が違うから中等部の校舎に行こう。」
リンネは靴を履いてササッと歩いていく。
伊織は はい と言って後を追った。
そんなリンネと伊織を見てカレンは あらあら と微笑むだけであった。
「それじゃあ、私達も行きましょうか」
「はい!」
園子たちがいる管理棟の奥に教室棟や実習棟がある。
1年の教室は4階…1番上の階にある。
「さぁ、こっちよ
奥がA組、そして手前がE組の教室。
このクラス分けは主に定期考査で決まってくるわ。
上位であればA、B組のどちらかになるの。」
カレンは廊下を歩きながら園子に説明する。
クラスは定期考査の合計で別けられる。
1年生の場合は入学試験もしくは入学後の実力テストで決まる。
上位であればA組かB組
【これはB組だからといってA組に劣る訳では無い。】
中位、下位はC組、D組、E組のどれかになる。
「あっ!でもね、C組は少し違うのよ。
実力はA組、B組に劣らない上位者ではある。
それに加えて特殊体質を持ってる子がおおいかしらね。」
例えば…とカレンは続けた。
それに園子は真剣に聞く。
例えば、高等部生徒会長である 龍法院 充孝。
充孝は黒色の瞳で影の魔法が得意だ。
だが、それとは関係なく耳がとて良い。
それは、人の声や鳥の声が遠くからでも聞こえるどころではない。
例えば人の心、例えば空間魔法で空間の長波を乱した時の音。
などなど、普通の人には聞こえるはずもない…魔法を使わなければ分からない音が充孝には聞こえる。
そういった魔法が影響して特殊体質になった人々が集まるのがC組だ。
「なるほど。C組には少し違った体質を持っているんですね」
園子はフムフムと頭に記憶していく。
「まぁ、そんなに考えなくてもいいわよ。
この世界でも人間界でもあるでしょ?
あまり、気にしすぎるとC組の子たちは逆にイライラしちゃうから」
カレンは ふふふ と笑うだけであった。
話していくうちにA組の教室についた。
廊下と教室の間にある窓は向こう側がわからないように磨りガラスになっていて、教室の中の様子がわからない。
カレンがドアを開けて教室に入っていく。
園子はカレンの合図で入ることになったので廊下で待っていた。
「どうぞ!」
カレンがこちらを向いて呼ぶ声で園子は教室の中に入っていく。
この待っている間と呼ばれたときにビクッと園子は緊張ぎみだ。
この時、あの頃を思い出した。
レイが人間界の小学校に転校してきた時、こんな気持ちだったのかな…と。
園子が教室に入ると教室がざわめいた。
それはおそらく園子の髪と瞳だろう。
「今日転校してきた 菅原 園子さんです。
分からないこともあると思うから教えて上げてね〜」
カレンが さぁ と園子に自己紹介をするよう言った。
「えっと…菅原 園子です!
人間界で生まれて育ったので魔法界にはまだ不慣れですが仲良くしてくれると嬉しいです!」
園子はお得意の笑顔を見せた。
相変わらず男子たちは顔を赤く染めている。
その中で ムスッ としている人が1人だけいたが、誰も気づいていないだろう。
「それじゃあ、席は…」
カレンが空いている席を探す。
このカレンの言葉で周りはシーンとしていた。
園子は なんだろう? と周りの空気が気になった。
だが、次の言葉で察した。
「席は、レイの隣ね。」
ようやく見つけた空いた席はレイの右隣であった。
全体から見ると、レイは窓際の1番後ろの席。
園子はその右隣で後ろは誰もいない。
(レイくん!!!)
園子はようやくレイがいることに気がついた。


