……絶対嘘だろ、それ。

本当だったら、少し引くぞ。



なんで俺が部屋を出て行ったくらいで、あとつけてくんだよ。おかしいだろ。


前科者だから気になったんなら、まじで殴るぞ?



俺は、2重の裏切りをやって、気づいたんだ。このやり方は、一時的なものだとしても、やる方もやられる方も無駄に傷つくだけだって。


だから、俺はもう二度と、神雷を出て行くつもりはねぇ。




『で、本音は何なんだよ』


『あ、やっぱ気づいちゃった?剛は鋭いなぁ』



弘也が、大げさにチャラけながら言う。


ムカつく言い方すんな。

どつくぞ、こら。



『念のため、確認をしに来たんだ』


『確認?』


『俺らの作戦の確認だ』



鷹也は真面目で助かる。



最初2人に会った時、双子でもこうも違うのかと呆れたのを覚えている。



弘也みてぇなうっざい奴が2人もいたら、まとまるもんもまとまんねぇ、ごちゃごちゃした地獄になっちまう。


そんなのごめんだ。