「……最先端の医療器具とリハビリ道具がある世界で、何十回と手術を受けて、何千回と転んで、それでやっと痛みもなく歩けて、運動もある程度できるようになった。
……そうなるまで、二年以上かかった」





 奈々は自分の足を触り、自嘲気味に笑った。




「正直、今でも時々痛むんだ。……喧嘩した後とかは、特にな」


 作り笑いをしたまま、目尻を下げて奈々は言う。