「……いいよ。一緒に死んでやるよ」




 気がつけば、そう口走っていた。




 話を聞いて、安心でもしたのかもしれない。



 どうやらこいつは、本当に俺の気持ちをわかってくれるらしい。





 名前も知らない見知らぬ女と一緒に死ぬなんて、かなり馬鹿げてる。





 ——それでもいい。




 どうせ死んだら、この女のことなんて忘れるんだから……。






 10月10日、午後10時10分ちょうど。





 俺達は屋上のフェンスを飛び越え、手を繋いで15階建ての病院から飛び降りた。







「死なせるかよっ!!!」