「………何してんだよ」




 屋上の床に四つ這いになった俺の頭を、
少女は優しく撫でた。



 ——は?




 俺は思わず顔を上げて、
ぱちくりと瞬きをした。



 体温が今更のように急激に上昇して、
顔がやけに熱を帯びた。





 俺達のはるか真上に浮かんでいた月が、少女の腰近くまで伸びた透き通ったような金髪を、一際明るく照らしていた。



 長いまつげ、金髪に映える白い肌、
うすピンク色をした可愛らしい唇、
ちっちゃな顔。




「お兄さん、私と一緒に死にませんか?」




 誰をも圧倒させるような魅力的な容姿をした彼女は、顔を上げた俺を見ながら、笑ってそう言った。