外にいたのは、実の妹のめぐと、その彼氏で俺とあづの親友の奈々だった。



「潤ー、あづは?」


 めぐの少しあづを心配したような高い声に、
俺はものすごい低い声を返した。


「…………逃げた」




 実を言うと、俺は数時間前あづが寝てから間もない頃、こいつらに“あづは見つかったが、体調を崩して俺の家で寝込んでいる”と連絡をした。




 
それで二人は、“じゃあ体に良さそうなものを買ってから潤の家に行く”と言い出し、恐らく今、ちょうど買い出しを終えて、俺の家に来たところなんだが……。




 これだと2人は、
正しく骨折り損のくたびれ設けだ。




 まさかあづが逃げるだなんて、俺は考えもしなかった。