ブーブー。




「うるさ……」




 朝一番、何処かにある携帯
の通話音が俺を起こした。





第一幹部室にたったの一つだけ存在するベッドの上で、俺は真横で寝ている純恋に布団の上でもぞもぞと動かしている腕が当たらないよう気を使いながら、寝ぼけ眼に布団を見つめて、手探りに携帯を探した。






「ん、母さん?」





 それらしきものをやっと掴んで、俺は自分の体にかかっていた掛け布団を払い、携帯に接続された充電器のコードをもう片方の手で引っこ抜いて、携帯の電源をつけた。




 どうやら、母さんからの通話らしい。






 ん?



 母さん?



 まさか、奈々絵っ!?








 俺はその通話相手が表示された画面を見て瞬時に眠気が晴れたかのように物凄い勢いで応答ボタンを押し、携帯を左耳に押し当てた。