「……なぁ、奈々絵。確かに、あの頃の記憶はお前からしたら忘れたくて仕方がなくて、ダサいとしか思えねぇモノなのかもしんねぇ。けど、俺は……いや、俺達は、そうは思わない。
今、こうしてちゃんと話せてるお前を、誰よりもかっこいいと思う」
開いた口が、塞がらなかった。
「そんな大嘘、……抜かすなよ」
顔を俯かせ、拳を震わせて俺は呟く。
そんな見え見えの嘘、つかなくていい。
だって、自分がダサいことなんて、自殺未遂を
したあの日から、分かりきってんだから。
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