もはや、意味がわからなかった。





「びっくりしたどころじゃねぇよ!
 こんなん、どうかしてんじゃねぇの? 俺なんか祝っても、禄な反応できねぇぞ?」





だから俺には、思うがまま喚く
ことしか出来なかった。





「バーカ、
それに関しちゃ、誰も期待してねぇよ」






 あづが笑った。




 ここにいる誰よりも綺麗な顔で。




「んじゃまぁ、改めて。
 ——奈々絵、虹欄の副総長になってくれないか?」





 ——は?



 何言ってんだよ、あづ。



「副総長は潤だろ?」




 そもそも副総長なんて、俺が立てる位置じゃねぇんだよ。



「そ。だから、二人目! 俺らは奈々絵に、3人目の幹部になって欲しいんだよ!」


 そういい、あづは隣にいた潤と肩を組んで、屈託もなく俺に笑いかけた。



「無理に決まってんだろ。
だって俺、喧嘩お前らの中で一番……」



 顔を俯かせて言う。



最後の言葉は、何故か声にならなかった。




 俺、わかりきってた癖に、本当は認めるの
嫌で嫌で仕方がなかったのかもしんねー。






「――弱くていい。
 奈々だから、なって欲しいんだ。
なんなら、総長にしたっていい。
みんなだって、それを望んでる」