「ん」


 俺は冷凍庫の中からノンアルコールの缶酎ハイを取り、あづに渡す。


「……ノンアルコールだし」



 そう言って不貞腐れて文句を言うあづは、
なんだかへそ曲がりな弟みたいだった。



「吐いたやつが文句言うなよ。後、ズボンの
ポケットに入ってる煙草とライター没収な」





 俺はそういい、あづのポケットを眺めてから、あづの顔を見下ろす。






「あーもうわかったよ。でも、吐いたのその2つが絶対原因とは限んな……うっ!?」



 突如、ポケットに両手を突っ込んだあづの顔色が尋常じゃないほど青ざめいって、俺は慌ててそいつを洗面所に連れていき、思いっきり吐かせた。





「オエッ!!」





 あづの背中を摩り顔色を伺っていたら、




どういうことかそれが良くなることはなくて、




あづはそのまま1時間ほど、



胃液などが混ざった何色かよくわからないような嘔吐物をひたすら吐いていた。