「ね、奈々。好きだよ?」 「ん。俺も…………好き」 そう言って誰よりも綺麗に笑う君を見て、 “好きでごめん”と。 本当につい、そう言いそうになった。 赤髪をぐしゃっと片手で掴んだ。何言おうとしてんの、俺。 しっかりしろよ……。 体も心も、未だに熱を帯びてて。 でもそれと同じかあるいはそれ以上の割合で、この先のことが只只心配で。 本当に全く、情けないったらありゃしない。