「龍弥、怒んねーから入ってこいよ」



 そして、そう乱暴に言い放った。


 俺は無意識なのか意図的なのか、数ミリほど開いたドアから除く緑色の髪に怪訝そうな目を向けた。




「……すみません」


 龍弥は近くにいるのがバレて驚いたのか、ビクッと効果音がしそうな勢いで髪を揺らした後、遠慮がちに部屋に入ってきた。



「ホント、良い雰囲気邪魔にしないで
欲しいわよねー」



 恵美は片肘を曲げて、困ったように
頬杖をついて言う。



 おいおい、茶化すな。




「べ、
別に好きで邪魔したわけじゃ……」





 龍弥は目の前にいた俺から視線を逸らして、力のない声で反論した。





 無論、呆れるほど説得力がない。



つーか、さっきの光景思い出したのか少し
顔赤いし。




「で?
 あづが俺らを呼んでるって?」



「そ、そうっす!


 恵美さん呼びに行くのに時間がかかりすぎ
だって、
潤さんと2人で呆れ顔してました!!」


 俺が先を促すと、慌ててそう龍弥は言った。


「あー!!奈々絵呼びに来たこと忘れてたぁ!!パーティはっ!?」