《はぁー、なんでそんな投げやりなのよ》


「……すみません」


ため息をつかれ、俺は謝った。


《ま、いいわ。謝って欲しいわけじゃないし。
 体調はどう? 大丈夫?》

「……はい、平気です」

 空を見上げながら、俺はベランダの近くの部屋で眠っている空我を起こさないよう、そう小さな声で応じた。

《そ? ならよかった》


「あの先生、——空我のことで聞きたいことがあるんですけど」


 先生がそういったのを聞いてから、俺は意を決してそう口にした。