桜桃は突如声を上げて、
饒舌に語り出した。



「組長には、
何があってもついていきます。
ここにいる人達全員、
組長が救ってくれた人なんですから!!!
そのご恩は、一生忘れられません!!」



桜桃……。




「全くお前ら、……最高だよ」




 目から、一筋の涙がこぼれ出した。




 俺は手の平を顔にあてがって隠して、笑った。





 ——初めてだった、
ついて行くって言われたのも、





救ってくれたって言われたのも、





忘れられないって言われたのも。







 全部初めてで、もはやどう反応すべきか、
俺は全然分からなかった。





 桜桃が言ったことは、確かに全部真実で。





 総勢80人はいるであろうこいつらを、
俺は自分で選んだ。




 潤と一緒に駅の路地裏へ行っては喧嘩が強い奴を探して、説得して。


散々それを繰り返して、なんとか集まった人数が80。





 それは普通の暴走族からしたら、かなり
少ない人数なのかもしれない。




 ましてや俺達には、笠下の族だっていない。






………それでも、悪くない。





俺達なら、絶対にどの暴走族よりも強くなれる。





そんな気がしたんだ。



 ——よかった。


 最期にお前らの想いを聞くことが出来て、本当によかった。