「「「お久しぶりです、組長!」」」




 一階につき、俺達はエレベータを出た。
 俺が目の前にあった扉を片手でこじ開けた途端、
下っ端達のやたらうるさい声が聞こえてくる。


 ……ハハ、相変わらず声デカイな。


 部屋の奥に配置された2つの黒いソファに向かって、俺たちは2列で歩き出した。




「あの女誰だ?」



「超美人じゃね?」


「まさか組長の……?」


 下っ端のヤツらが純恋のことを小声で喋っているのが、どうも癪に障った。


「………失せろおまえら」



 俺は、騒ぐ下っ端共をにらみつけた。


「空我さん?」


 俺の隣にいた純恋が、どうしたんですかと
でも言いたげな不安な声を出した。



「あづコワーイ」「あづ、殺気出すな」



続けてその後ろにいた奈々とめぐが、
声を揃えて俺を一括する。



「なんだよバカップル。
別にいいだろ?」



「いやいやみんなビビってるわあづ」



 食い気味に、桜桃と一緒に一番後ろを歩いていた潤からも言われる。




「なぁ、桜桃?」


「はい、潤さん!!」



 桜桃は確認され、うんうんと頷く。


 ——?


 こいつらって仲良かったっけか?


……まぁどうでもいいけど。



「あーもうわかったよ!
んじゃ、始めんぞ!」



 俺は潤に不満げな声を漏らしつつも返事を返して、
何週間かぶりにソファに腰を下ろした。