「奈々ぁ~」


 直後、めぐが奈々に近づいた。



「あ、恵美? ……悪い」




 奈々は素っ気なくめぐに応じながら、俺を見ていた。


「奈々?どしたの?」



 めぐは奈々の両肩を勢い良く振った。




「…………何でもねえ。亜空行こうぜ」



 はぐらかすようにそう言い、奈々は口角を上げて笑った。