「ん……っ」


 シャーっと窓のカーテンが開け放たれた音が、無音だった部屋に大きく響いた。




「あづさーん、起きてくださーい。
もう14時ですよー」



 誰かに体を思いきり揺さぶられている気がして、俺は顔をしかめた。



 うっせー。


 寝かせろよ……。


 まだ寝たりな……


 ——ん?


 ちょっと待て。



「は?14時?」


 14時って……


 俺、10時間も寝てたのかッ!?



「はい。
 正確には、14時10分ですが」



 純恋は慌てて上半身を起こして飛び起きた俺に、
クスクスと笑いながら、そう平然ととんでもないことを言いのけた。