「あづさんって、本当に泣き虫ですね」





俺の涙を人差し指の先で拭ってから、純恋は笑っていう。



「は、はぁっ!?」




「でも!
だからこそ、ほおってはおけません。
あなたが好きです、亜月空我さん」


 俺が否定をしようと声を出す前に、純恋はそう笑って言い放った。


「純恋……」





 目の前にいる純恋は、今までで一番綺麗な顔をしていた。





 太陽と同じようなオレンジ色をした照明が、
彼女の顔を、一際美しく照らしていた。





「私を正式に、亜空の姫にしてくだい」