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龍に手を引かれたまま、私は歩いた。

男の子らしい背中を見ていると、龍のさっきの言葉が蘇る。

嬉しい、凄く。

それから、胸がドキドキとうるさい。

すれ違う人や行き交う車から、私たちはどんな風に見えているのかな。

想像すると少し照れ臭い。

でもこの感覚がとても心地よくて…ああ今私は凄く幸せだ。

このままこの時間が終わらなきゃいいのに。

……いやダメ。

龍の話を聞きたい。

それに、私も伝えなきゃ。

水沢先輩が私に教えてくれたもの。

伝えなきゃ伝わらないって。

だから、私も龍に伝えたい。

ちゃんと伝えたい。


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駅の手前にある緑地公園で、ようやく龍が足を止めた。

それから私の手を離すと、ゆっくりと振り返る。

「……美夜」

「は、い……」

バクバクうるさく響く胸の鼓動と、掠れる声。

すると龍がクスクスと笑った。

「な、なに」

「緊張してんのかよ」

「だって、」

「……美夜」

今度は龍が真面目な顔で私を見つめた。

だから私も真剣に龍を見上げる。

「好きだよ」