「ガツガツしてるとまた失敗、」

「……ひどいよ」

グッと胸に何かが込み上げてきて、私の声は震えた。

……悲しさと腹立たしさがグルグルと混ざりあって苦しい。

「そんな言い方って、ない。なんでそんな意地悪言うの?ガツガツなんてしてないもん。私はただ、」

最後は涙声になってしまってどうすることも出来なかった。

顔を歪めた私を見て、我に返ったように龍が名前を呼ぶ。

「美夜、」

参ったと言うようにかぶりを振って龍が続けた。

「だから俺が言いたいのは、」

「触んないで!」

手を伸ばそうとした龍を一歩下がってかわすと、私は龍を睨んだ。

「…類は友を呼ぶとはよく言ったもんだよね。所詮龍は明日斗の親友だもの。手のひら返したように態度変えてもおかしくない。龍なんてもう信じないし嫌いだよ」

予鈴が鳴り始めた時、一瞬だけ龍の眼が悲しそうに見えたけど、私は身を翻して駆け出した。

龍の言葉と態度が凄くショックで、涙を止めるのに必死だった。