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金曜日、朝。

予鈴の鳴る前のクラスはいつもざわついている。

そんな中、私が席についてすぐ龍がやって来た。

「あ、おは、龍」

龍は軽く頷くと、小さく咳払いをした後続けた。

「なあ、明日の土曜、俺の家来ないか?母親がさ、新作料理の試食に付き合えって言うんだ」

「土曜…日」

……行きたい。

でも、明日の土曜日は……。

「行きたい……けど……ダメなんだ土曜日。実はもう約束しちゃってるんだよね」

表情の曇る私に龍が、

「用事あんの?」

「うん。瀬沼高校とカラオケなんだ。理沙の従兄と」

龍が一瞬唇を引き結んだ。

「瀬沼高校って……男子校の?」

「うん。だからまた今度…龍が都合良い日に誘ってくれない?」

「やめとけ」

「……え?」

まさか龍がそんな事言うなんて思っていなくて、私は思わず龍を見つめた。

「……なんで?」

「……瀬沼なんてロクでもねぇ。いいか。行くな」