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校内球技大会は時間の関係上、1ゲーム1クォーターの10分間のみ、場合によっては5分の延長戦がある。

……開始時間が予定通りなら、もう終わってるかも知れない。

息を切らしてようやく武術道場へとたどり着いた時、その予感は的中した。

「美夜!龍から具合悪いって聞いたけど大丈夫?!」

河島っちが首に掛けたタオルで汗を拭きながら、私を見つけて声を張り上げた。

「河島っち!試合は?!」

「今終わったとこ。勝ったよ」

「そっか……良かった!……龍は?」

「まだ中じゃないかな」

「ありがと!」

河島っちに手を振って、急ぎ足で中に入ろうとした時、耳元で低い声が響いた。

「こら!」

「きゃあ!」

声の主が私の腕を掴む。

その瞬間グラリと身体が傾いて、背中が誰かにトン、とぶつかった。

「ブルーフェイスは寝てろ」

「龍!」

慌てて振り向いた私の眼に、ニヤリと笑った龍の顔が飛び込む。

「龍!」

綺麗な瞳と、汗が流れる精悍な頬。

「大丈夫かよ」

じわ、と涙が出そうになる。