納得いかないような葉月。彼は怒ったような表情で私を見る。


「……お前は、どうなんだ」

「私は……――――」


暴走族なんかとつるむ気は無いし、姫になる気も無い。

でも……

愚龍のあの男の顔を思い出す。




気持ち悪くて、怖かった……




今日はたまたま志貴が、連れ去られるのを見ていたから助かったけど。このみんなの言いっぷりだと、また同じような事になるのかもしれない。

もしかしたら、もっと酷い目にだって合うのかもしれない……

だったら、嫌な言い方だけど、利用させてもらうのもいいかもしれない。


でも…………





「――――……私は姫になるつもりは無いです。でも……こうなってしまったらもう、仕方ないと思います。いつでも辞められる『かっこかり』なら……」


危険が無くなったら、すぐ辞める。

それが私の条件だった。