「最後まできけよ」 「え?」 「チャンスがあるんだよ」 その言葉に、私は岬を見上げる。ニカッと笑って頷く。 「……ほんとに?」 「俺は師匠だぞ。任せろ!」 頼っていいの? 信じていいの? そんな私の感情を読み取るように、岬が親指を突き上げる。 「大事なのはこれから。しっかり頭に叩き込めよ」 「もちろんですとも! 師匠!!」 私は涙を拭いて立ち上がった。