仕方ないといえば仕方ない。 おばちゃんは1人でお弁当を売りさばいているし、学校には別の決まった売店があるから、そんな数を持ってこないのも、仕方ないんだ。 でも、私は困る。 私は足が遅い。オマケにトロい。だから、大量に用意されている唐揚げしか食べたことがない。 しかし、もう卒業まで時間がない。必ずお弁当を手に入れるという決意で……。 「早川葵、鼻息荒くなに考えてんの?」 「うるさい!」