霞村四丁目の郵便屋さん

「ちょっと待ってね」


みやびはそう言い残して事務所に戻っていく。

俺は気持ちを落ち着けようと、なにも考えずにジュースを一気に喉に送った。


「あ……」


その色のせいでクッキーよりハードルが高くて手が出せずにいたジュースは、たしかにマルヨネで買ったジュースの味だった。
ちょっと砂糖が入りすぎていて甘さが口に残る。


「お待たせ」


戻ってきた彼女は、一通の封筒を握っている。


「これ、瑛太くん宛なの」

「俺?」


彼女が差し出した手紙を受け取って見ると、たしかに【田之上瑛太様】と書かれている。

この字、どこかで見たことがあるような。
誰から?

不思議に思いながら裏返した瞬間、息が止まった。


「遥……」


そこには【遠山(とおやま)遥】とたしかに書かれていたからだ。

死んだはずの、遥の名が――。