ありえない考えを振り切って、日誌に手を伸ばせば、またまた驚くことが起きる。


さっき悩んでいた日誌の一言感想の欄に書かれた言葉がある。



【起こした時のお前の嫌がる顔見たかったけど、やめとく】



「……………なに、これ。バカじゃないの、」



かけられていたブレザーをギュッと握り締める。


ーーーー“だから、優しいのよ。ちょっとツンツンしてるように感じる時もあるけど”


ひーちゃんの言葉に、もしかしたら本当に優しいところもあるのかな、なんて思ってしまう。



大嫌いなアイツの顔が浮かんできて、胸がトクンっと小さな音をたてたことに、私は自分でも驚いてしまった。


だって、私にだけきみはずっと意地悪で……。


だからこんな風にきみの意外な一面を知ると、私はどう接していげばいいかわからなくなるよ……。