だけど、私はすぐに我に返り自分の置かれた状況を知ることになった。
「……にーなーみーっ!!俺の授業中に居眠りするとは、さぞ自信があるんだろうな!」
ヒィ……!!
ドスンッ、ドスンッ!
黒板の前から近づいてくるのは、学年主任も務める日本史の古田(ふるた)先生。
ブルドックみたいな顔をしているからって、ブルとか呼ばれてる古田先生に睨まれて、首を振るのが精一杯……。
「居眠りをしていないなら、今すぐこの問題を解いてみろっ!」
うぅ……破壊力抜群の顔面だ……。
お昼を食べてお腹いっぱいになったからついつい寝ちゃって、問題すらわからない。
目を泳がせていたその時、トンッ、とノートに指をさしたのは隣の桐生秋十。
えっ……?



